「こんな沢山人間が行き交ってる街で同姓同名の人間に出会うなんて凄いよな」

驚いたから声を掛けてきたのね。
私は「ですね」と返し、社交辞令の笑顔を張り付ける。


「ちょっと話しない?」

そう言いながら私の真横に勝手に座った男。

私は許可をしていないのに。

は?と、私は思わずポカン。


「律、この人、誰?」

反対側から飛んできた声に康介が居ることを思い出す。


「すいません、私、連れが居るので」

私は今井律を見ながら反対側の康介を指差す。
康介が居てくれて良かった。