「律!」
五日後の大学の帰り、駅前でまさかの康介と遭遇した。
康介は一駅先の駅の近くに住んでいると聞かされた。
私の最寄駅とバイト先の最寄駅が同じだからだろう。
「大丈夫だったか?少し痩せた?」
心配そうな顔で私の顔を覗き込む康介。
あまり近寄ってほしくなくて、わざとらしくないように視線だけ逃げた。
「死ぬかと思ったよ。でももう大丈夫」
本当に死ぬかと思った。
インフルのせいで二キロ痩せたし。
「律はこれからバイトじゃないよな?」
康介は私のシフトを把握しているようだ。
「うんーー「バイトまでちょっと時間あるから付き合って」
待たねと言おうとしたら遮られて言われた。



