青い鳥

本当に証拠があるなら、どうなるの……?


でも、あの人は、


何も知らないの……






「……そんな事実、無いわ」


私の力ない声に睨み合っていた二人の顔が勢いよく私へと向いた。


「律……?ソイツを庇うのか?」

茫然とした顔の今井律。


違う。
でもそう思われても仕方ない。


「本人はこう言ってるが!」

反して嫌みな笑みの義父。

不本意だが怒りの衝動をグッと抑える。
だって私には自分よりも守りたいものがあるからーー




「律」




突如、響いてきた懐かしい高い声に心臓が止まりそうになった。
固まると視界には懐かしい姿が入り込む。
驚きすぎて目は開いたまま。


「お、母さん……」

動揺で掠れる声。

一年振りの母が今井律の後ろに居たから。


もしかして全部、聞いて……?

私は一瞬で血の気が引いて真っ青になる。