青い鳥

「律には母親にバラしたら離婚するとでも脅していたんだろ。お前と結婚するまでは二人は貧困でギリギリの生活をしてたから。お前と再婚して豊かな暮らしになった。だから律は義父に犯されても母親を守るために黙ってた」

義父を凍りそうな程冷たい瞳で言い放った今井律。

そんな彼の言葉に私の身体が震え始めた。

その目で全てを見てたんじゃないかってくらい正確だったから。

私の脳内は彼に全てバレていることに意識を全て持ってかれている。


だって、誰にもバレたくなかった私の秘密。

初めてだって嘘をついていた、穢れている私を…貴方は、軽蔑した……?


「何を言うんですか、今井さん」

先程まで冷静さゼロだったのが嘘かのように笑顔で惚ける義父。


「御託は良い。律の部屋に浸入した男はアンタの差し金だって分かってる。男は全て吐いたから」


え、


私はその言葉に弾かれたように勢いよく義父を見る。
そこには瞳孔が開いたかのような顔と小刻みに揺れる肩。

嘘をついていたのは貴方だったの?

怒りが沸々と沸き上がる。


「律が用意したマンションに居ないし、俺が現れたから、実家に帰らせようとしたってところか」

「証拠でもあるのか!?」

「この部屋にカメラとレコーダー仕掛けてある。あと律の鞄の中にもね」


再び真っ青になる義父。