「泣いてるのか?」

久しい絶望感に涙が流れていたらしい。

そんな私を見ながら父がフッと鼻で笑う。


「あの男にも青い鳥だと言ったのか?」

「……」

「でも好きならどんな卑怯な手を使っても良いのか?」

その言葉に更に涙を溢れる。


生きることに絶望していたのに、それでも私は幸せを探してたんだって気付いた。

あの人に助けられて、愛を囁かれて、一緒に幸せになりたいと思ったことも……


「アイツは律の身体が欲しかっただけだ。律が突き放しても追いかけもしなかった」


お願いだから私の心をこれ以上、壊さないで……


涙が壊れた蛇口のように止まってくれない。


「律には俺だけだって思い出せさせてやる」


目の前には絶望しか感じない気味が悪い笑み。