貴方は青い鳥なんかじゃない。

そう思いながら睨んでいると父は迷うことなくスカートの中に手を入れてきた。

だから私はスカートなんて履きたくなかった。

この人が制服を着た私を厭らしい目で見てくるのを思い出すから。


「俺が恋しかっただろ?」


そう言いながら、気味の悪い程口の端を上げて笑っている。


何で笑顔なの。
何も笑えることなんて無いのに。


貴方は全てを食らい尽くす狡賢い暗黒の羽根を持つ悪魔だった。

私はその悪魔に羽根を毟り獲られていくのを傍観するしか出来なくて、

絶望することしか出来なくて……。

私はそれから夢を見ることをやめた。

でもそこに、あの人が現れた。

私を幸せにしてくれる青い鳥だと思った。

思ったのに……