「どうして今井さんの家に住んでるんだ?お前のために用意したマンションはオートロックまで付いて安全な場所なのに」

その言葉に彼は私を見たようだ。
隣から視線を感じる。


「今井さん、申し訳ありません。俺が強引に連れて行きました」

すると頭を下げる今井律。


「今日、今井さんをお呼びしたのは、お嬢さんとの交際と結婚を認めて頂きたくお呼びしました」

そのまま続けた。

家でいつも過ごしていたのに、だから外に出したわけね。
今井律の行動に納得した時、目の前の父の顔が思い切り歪んだ。


「二人の交際は認めない。律、家に帰るぞ」

父は冷たい声で吐き捨てた。


実家になんて帰りたくない。

でも言葉が出てくれない。