ごめんね、幸恵……
本当は事情話したいんだけど、会社の人にバレたら絶対にダメって約束なの…
正直言って、私はどちらかと言うと、そこまで嘘が得意な方ではなくて。
いつまでも幸恵に嘘を貫き通せるのか…正直言って心配だ。彼女は彼女で可愛らしい顔に似合わずやけにカンが鋭かったりするし。
「プロジェクト会議するぞー」
お昼休みが終わって1時間ほどした頃、先輩が私達の机に向かって会議室に集まるよう指示を出す。
椅子から立ち上がると、隣に駆け寄ってきた幸恵が「いよいよだね」とコソッと耳打ちをして二人で会議室へと向かった。
「えーまず、今回のプロジェクトメンバーを発表する」
次々と呼ばれていく名前。
自分の名前が呼ばれるのか呼ばれないのか。
いつ呼ばれるのか、それともメンバーには入っていないのか。
そんな緊張感に包まれる中
「えー椎名凛津、C班チームリーダー」
そんな言葉が耳に飛び込んできて
「……え?」
思わずポツリとそんな声が口から漏れ出た。
私が…チームリーダー?
まるで何事も無かったみたいに次の他の人の名前がプロジェクトリーダーによって呼ばれていて、思わずバッと後ろの席に座っていた大和先輩を見れば
「やったな」と口パクで笑いながら言っている。



