ボブに任された日本支社を立て直し、帰って来てもう半年になる。

梨華…
誰も裏切らないと言ったのは嘘か?
それとも俺が何かしたのか?
頼む連絡をくれ…

理由のわからない俺は、耀一ならなにか知ってると思い、何度も聞いたが、耀一からの返事は「なにも知らない。」想像通りの答えしか帰ってこなかった。
それでも梨華の居所を探して欲しいと頼んでいた。

「耀一、まだ梨華の居所分からないのか!?」

「俺も忙しくてな…お前の事だけに構っていられないんだよ?」

構っていられないだと…
クッソー!
おまえの事だけは、誰よりも信頼し、頼りにしてたのに…

「もういい!興信所に頼む!」

「止めとけ!!」

「はぁ!? なぜ止める!?
やっぱりお前なにか知ってるんだろ!?」

「彼女が望んだ事だ?
このままそっとしといてやれ?」

「俺は望んでない!
一方的に居なくなるなんてルール違反だろ!」

「じゃ、お前はルールを守ったのか?」

「どう言うことだ!?」

「兎に角、彼女を探すことは止めろ!」

俺がなにした!?
俺がルールを守らなかっただと!?

ふざけるな!?
俺に言いたいことがあるなら、隠れてないで、直接言え!!クッソー!

『ドン!バサッ』

押さえきれない怒りをデスクの上に置いてあった全ての物にぶつけた。
その時ドアが開きボブが入ってきた。

「コウジ ドウシタ? ズイブン アレテルナ? ナニカ モンダイ オキタカ?」

「いや…なんでもない」

部屋に散らばった書類をかき集め、壊れてしまったバソコンを見て深いため息をつく。

俺は何をしてるんだ?

女一人の為に…