術後、もちろん痛みはある。痛みはあるが、頭が凄く重いと言った方が正しい。

まるで自分の頭じゃないように感じ、首に凄く負担がかかっている。誰かに頭を持ち上げてて欲しい。

手術室から戻る際もずっと「あたまが重たい」と言っていた記憶がある。手術室からの帰りMRだか、CTだか、覚えてないが、検査へ、ストレッチャーで移動していた。その際もずっと目が回り、気持ち悪かった。

病室に戻っても思うように動けないのは辛い。体は動かせるのだが、頭を少しでも動かすと、目が回る。乗り物酔い状態で、すぐ吐き気をもようすのだ。勿論、吐き気止めをつかうことも出来るが、点滴に入れる吐き気止めで、それも一日に2回までしか使えない。

「痛みも、気持ち悪さも、日に日に良くなりますよ?」と看護師は言う。

日に日にってどのくらい?

「今、痛みはなんわりくらいですか?」

何割?
私の基準…?
私のどれに対しての基準?

「5割くらい?」

私も疑問符をつけてしまう。

痛み止も薬と薬の間を一定時間開けなくてはならない。そのタイミングを間違うと自分が辛いことになる。

点滴の交換に来た若い男性の看護師に痛み止を使いたいと伝えると、「女性の看護しに変わりましょうか?」と聞かれた。

術後、間もない為、今はまだ水すらまだ飲めないのだ。その為、痛み止は座薬となっている。

きっと彼は気を使ってくれたのだろう。心電図の張り替えの時にも聞かれたが、私は「かまいませんよ?」と答えた。

ただでさえ忙しい看護師さんに余計な手間をとらせたくない。それに若い男性と言っても相手は看護師、あちらも私を患者としか見ていないだろう。

それを私の方が変に意識するのも可笑しい。と言うか寧ろそんなふうに考えてる時点で恥ずかしい。

アラサーである私は彼からしたら、おばさんのたぐいにはいるのではないだろうか?

「大丈夫だす。私は気にしませんからお願いします」

私の返事を聞いた看護師は「ではいれますね?」と言って私のショーツを下ろし、「力抜いてください」と言った。