手術が無事に終わり、病室に戻ってきた時、母や兄達の『よく頑張ったな?お疲れ様!』と言う呼びかけに無事に終わったんだと安堵と、皆に会えた喜び、心配をかけた申し訳なさで涙が出てきた。

その後、右手に繋がれた点滴を見て、やっぱりここか…と思っていると看護師に「ここしかとれなかったみたいですね?」と言われた。

こっちは何かと不便だろうなぁ…

手術の前にもずっと痙攣を抑える点滴をしていたが、長年による点滴治療で私の血管は細く脆くなっていた様で、直ぐに薬が漏れてしまっていた。その度に何度も刺し直しをして貰うのだが、血管が出なくて、いつも私は看護師を困らせていた。

その為、麻酔科の先生が術前の説明に来たときも、その旨を伝えると、赤ちゃん用の細い針をエコーで血管を確認しながらやりますと言っていた。が、やはりダメだったようで、結局右肘の関節部分に刺してある。

針と言っても本当の針ではない。プラスチックのようなもので、柔らかいものだ。だから多少曲げても問題ないのだが、私の場合少しでも曲げると薬の落ちが悪くなり、漏れてしまう。

また漏れたらと思うと、動かす事が出来無くなってしまう。そしてもうひとつ厄介なものが体に着いている心電図だ。

特に痛くも痒くもないが、体の向きによって心拍数が下がることがある。

心拍数が下がるとモニターのランプが点いたり、知らせる音が鳴ったりする。勿論、心電図モニターはナースセンターの物と連動してるので何かあれば、直ぐに看護師が来てくれる。だが、心配性の母達は心拍数の下がりを知らせる音が鳴ったりすると『梨華!? 梨華大丈夫?』と心配するのだ。
罰当たりだと言われるかもしれないが、ほんとにこれに関してはウザすぎるのだ。