なぜだかとても胸が痛い。たまらなくなって車のキーを手に取って飛び出すように部屋を出た。

車のエンジンをかけて夜の闇の中走り出す。高速に乗って海を目指した。

流れる景色と浮かび上がるように輝く道路照明。でもLEDの灯りは明るいけれど、冷たい感じがする。昔ながらのオレンジ色の灯りが懐かしい。

長野とは反対方向。
いつまでも連絡してこない社長への反抗心か恨みか悲しみか、当たるところのないやるせない気持ちで軽くアクセルを踏み込んだ。

どうして連絡してくれないの

そんなにその人が好きなの

私のことは気にならないの