ムカつく。なにあれ。
この4年、どんなに酔ってもあんなことする人じゃなかったのにどうして今夜。

そんな中、暗闇の中のバッグの中で控えめに点滅するライト、スマホが目についた。
ーーーそうだ、櫂に連絡しなきゃいけなかった。

イライラしながら手に取ると、スマホには何件もの櫂からの着信とメールが残されていた。

最後のは・・・15分前か。

気にはなっていたものの森家のお父さん、お母さんの手前私のスマホは和室に置きっぱなしにしていた。
私のために料理してお酒をふるまって楽しそうにしてくれる二人の前でスマホをいじるわけにいかない。
席を外して連絡するという手もあったけれど、今夜の私は冷静に櫂とやり取りする自信もなかったからそれもしなかった。

『今日は申し訳なかった。話ができないだろうか?』
『西倉に会ったのか?』
メールはこれだけ。