「頭が真っ白になった」なんて言う表現は好きではない。
むしろここで本当に真っ白になってみたいものだ。
一層のこと取り乱して泣き崩れたり「助けてください」と叫べたら良いのに。

こんな時にでも思うのは「昨日、好物のハンバーグを作れば良かった」そんなありふれた事だ。

医師は少し気まずそうに、それでいて慣れた手付きでレントゲン写真を貼りながら私に説明する。


「お姉さんの余命は2ヶ月です」