ラベンダー。

ほんとに先生に見つかるのが危ないだけなのかな?
竹下さんに後で聞くとして…
水木くんの方を見ると相変わらずの表情。
流石に竹下さんを見る勇気はなかった。
さっきの睨み顔が頭から離れなかった…

昼休み、愛海には「ごめん!少し竹下さんと話してくる!」と言ってきた。愛海は「先に行っとくねー」と言って先に屋上に向かっていった。
そして、私の目の前には竹下さんがいる。
教室はガヤガヤした雰囲気に包まれている。
「竹下さん…」
「ななにぃ…水木くんにさ、なんで変わったのって言われたんだよね。」


遡ることHR後の休憩時。
「やっほー、ななにぃ」
「おはよ、どーした?」
「私席変わったんだー!」
「ふーん…」
「やっとななにぃと隣だーわーい!」
「安曇さんに許可もらった?」
「うん!全然いいよー!って!…ってななにぃ?」

「_それで、許可したって言った瞬間腹立てたのか知らないけどあーなったって訳。」
「そ…そーだったんだ…。」
「………ない。」
「竹下さん…?」
「意味がわかんない、なんでななに…水木くんは…私の隣が嫌だったの?」
「わ…私に言われても…」
「安曇さんがいけないんだよ。」
そう言い残して竹下さんはくるっと私に背を向けて教室を出ていった。
(ほんと…なんなんだろう…静かに暮らしたいのに…)
私は謎のモヤモヤ感と罪悪感に包まれながら屋上へ向かった。
お弁当を食べながら
愛海にこの事を伝えると「やっぱり…」と一言。
愛海の顔は少し険しくなっていて、箸を止めてお弁当を置いた。
「蘭華…」私の目を真剣に見て
竹下さんの過去を話し始めた。