「今日もすごいな。」

ひとりごとを言いながらも、私は頭に入ってこない宿題をさくさくと進めた。

「さぁー、そろそろお別れの時間になってきました。次のゲストは○○さんです。お楽しみに!」


あぁー、終わってしまう。久しぶりに聴いた声は何と言っても懐かしい。

しばらくの間受験のせいで聴けなかったけど、受験から解放された今聴き放題。


なのにあと30秒で聴けなくなってしまう。


「それではまた明日バイバイ!」


終わってしまった。また明日…


「南!!ご飯食べて!!!」


落ち込んでいるにもかかわらず、母さんは早くご飯を食べろと私の名前を読んでいる。

自分の足を引きずりながらも私はラジオを止め、階段を下りた。

リビングに入ると、そこにはもうご飯が準備されてあった。

「いただきまーす。」

美味しいご飯を頬張る。

明日から春休みだから何しよう、考えながらも頭の片隅には日村裕太の声がまだ、残っていた。

でも、今1番考えないといけないことがある。


受験だ。



3日前に受けた受験のことを考えないといけない。


気をとりなおして私は、受験のことについて思い出した。

私は近くの私立高校と隣町の公立高校を受けた。

一応全問解けたは解けたが、見直しをしてないから自信がない。



落ちたらどうしよう。



怖くて仕方ない。



結局私は寝るまで受験のことを考えていた。