さて今日はお昼までに、海へ行って
写真を撮ろうと思う!


本当は人混みが苦手だから行きたくないけど
沢山写真を撮りたいから、行くしかない!
あと日焼けもしたくないから
対策はバッチリしていこう。














海へ着いたものの……暑い。
人が沢山居る…。
もう今日は波打ち際で写真を撮ろう。
人が映りこまないように…注意しながら
シャッターを切る。















「……うーん、何かイマイチだなぁー」



写真を撮るのは好きだが
上手く撮れたなぁと思える時って
なかなか少なかったりするもんなんだよな…。









「ねぇ、おねぇーさん!」


「!?」


「ねぇねぇ暇? 今暇でしょ?」


何…誰??








「暇じゃないです…」


「てか一人?俺らと一緒に遊ぼーよ!」


「………嫌です。」


う、うざい…何なの?
この赤髪の男は!?



「そんなこと言わずにさーー!」





















「……おい、お前ら何やってんの?」


「!? そ、蒼眞さん?」


「…って、誰かと思えば陸斗(リクト)か。」


「そ、それはこっちの台詞っす!」


「………」


「!……あれ? お前は…。」


「え?あ!」
この人は……


「あ〜お前ら、ナンパなら他所でやれよ、ほら、行くぞ!」


「え、え?…ちょっと!?」


急に手を掴まれてしまった…。





「は?嘘だろ、蒼眞さんの知り合い?」


「……あぁ~そりゃあー無理だろ、諦めろ陸斗。」


「…はぁ?何でだよ!?楓(カエデ)!!お前があの子が良いっつったんだろ?」


「いや、まぁそうだけど…。ほら相手が悪すぎるだろ。」


「っ!……はぁ~。」














「あ!いたいた!陸斗~!」


明るめの髪の毛でくるくると巻かれた
女の子が陸斗の元へと駆け寄る。




「げ…」


「もぉ〜探したよ~?てか何で先行っちゃうの??」


「別に。お前らが遅すぎるからだろ?」


「ひっどいー!女の子は準備に沢山時間がかかるんですー!ね、友佳(ユカ)?」


「え?それはー、里奈(リナ)が水着どれ着るかいつまでも悩んでるからでしょ?」


「友佳までひどーい!ねぇー、蓮(レン)は?」


「は?…… 知らねーよ。」


「っもう、良い!ねぇ陸斗、泳ぎに行こう?」


「……はぁ…分かったよ…。」


「友佳も早くーー!」


「はいはい。行くよ!」
























「………ねぇ!…ねぇってば!」


「あ?」


「手、離して!」


急に連れ出されてそのまま走るもんだから
こっちは息切れ寸前なんですけど?




「…あぁ!わり、てかお前海結だよな?」


「…そーいうあなたは盗撮魔の…?」


「ちょっと待て、その呼び方は辞めろ」


「じゃあ何と呼べば良いですか?」


「蒼眞でいい。」


「………嫌だ。」


「っ、お前なぁ?」


「……さっきは助けてくれてありがとう」

少し頭を、下げてお礼をする。






「!…おぉ。」


「それで? ここは一体何処なの?」



「あ?あー悪い。かなり端の方にに来たみたい。」


「…まぁ良いや。 ここなら人が少ないから」


「写真撮んのか?」


「心配しないで、あなたなんか撮らないから」


「は?俺そこまで自意識過剰じゃねぇーよ?」


「……その顔で?」


「顔?って何…」


「あ!蟹がいる!」


「おい…っ聞けよな、人の話を…。」


「わー可愛いー!!」








また海結に逢えるなんて思っても見なかったな…。
初めて会った時も思ったけど
こうやって昼間に見ると
やっぱこいつ可愛い…。
って改めて思ったよ。
美人って言うより可愛い系?
背景の海が良く似合っていて
気付いたら写真撮りたくなるんだよな〜












……パシャ。



「!? ちょっと!」


「え?」


「え?じゃないよ!また盗撮したでしょ?」


「んなわけ…、俺も蟹撮ってたんですー。」


「!!」


「なになに?もしかして自意識過剰ですかー?」


「!!」




何なの!!こいつ!!
本当に初対面から思ってたけど失礼極まりない。
黙ってれば、それなりにカッコ良い…のに…。




「海結は怒った顔も可愛いね。」


「!?ちょっと!やっぱり撮ってるじゃん!」


「………」



何…急に黙っちゃって…。
てゆーかレンズ向けないでよね!!
私は撮る方が…



「海結…。」


「……っ、何?」


蒼眞は声のトーン少し落として話かけてきた。


















「モデルになってよ。」


「………は?」


「俺の写真の。」


「!?」