……パシャ。


??


今のってシャッター音……何で?
私もカメラを持っているけど、
今の音は、私が撮ったものではない。


じゃあ……、一体誰が…?


私は恐る恐るシャッター音がした方向へと
歩いてみた。



………。



するとそこには私にカメラを向けて
シャッターを切る、男の人が居た。



!?



私は怖くて、とっさに走って逃げた。
すると…



「待って!」

呼び止められてしまい、足を止める。
止めなくても良いはずなのに…。




「………。」


男の人の顔はよく見ていない、怖いから。



「…ごめん。あまりにも綺麗で……、つい」



「!?」



思わず振り返ってしまった。



「……っ、き…綺麗なんかじゃないです…だから、早く消してください。」




「…ごめん。それは出来ない。」



「!? ど、どうして?」


「綺麗だから。」


「は?い、意味わかんない!!」
何言ってんのこの人は!?
もうこーなったら、け、警察に電話するしか…



「ま、待て待て、悪かった!何処にかけるつもりだよそれ…」


ショルダーバッグからスマホを取り出したが
阻止されてしまった。


「警察です。」


「…頼むからそれだけは勘弁してよ」


「さっき撮ったのを消してくれたら、電話しないですよ?」


「……わ、分かった。消すよ…ったく」


その男の人は、少しばかりカメラを操作して
【削除しました】
と表示されている液晶画面を私に見せてきた。


「と、盗撮は犯罪ですよ?」


「…じゃあ許可があれば良いってこと?」


「は?」




「……君を撮らせて欲しい」


「!!!」