3杯目のカクテルを飲み終わろうとした時……
Barのドアが開いた。












「海斗!久しぶりだね!」



「楓か、珍しいな」



「!あれ?君は……」


茶髪の優しそうな雰囲気の男性が
海斗に話かける。





「海斗~来てやったぜ~!」



「!! 陸斗てめぇ、全然店手伝いに来ねぇじゃねぇか!」



「え~?今日来たんだから良いだろ~別に。」



「良くねぇよ!昼間も来い!」



「気が向いたらな…、って!あ!君は?」



え、ちょっと待って…
何であのナンパ男が居る訳!?
この人本当に苦手なんだよなぁ
…うぅ、もう帰りたくなってきたかも



「ねぇ隣、座っても良い?」



「?ど、どうぞ。」


承諾すると、茶髪の優しい雰囲気の人は
私の左隣の席へ座った。



「あ!ずりぃぞ楓!ねぇ、俺も隣座って良い?」



え…、めっちゃ嫌なんですけど…。
でも海斗と仲良さそう?に話してたから
無下には出来ないのが悔やまれる。



「……どうぞ。」



「お前らな…、あんまりこの子を困らせんなよ?」



「何だよ、海斗~良いだろぉ~俺はお客さんなんだから~」



「違うだろ、働けよ……ったく。」







「ごめんね、急に騒がしくしちゃって。」


「い、いえ!大丈夫です。」

本当は全然大丈夫じゃないけども!
ゆっくり、まだ海斗と話していたかったのに…。
他のお客さんのところに行っちゃった…。





「俺、楓(カエデ)、宜しくね?」


「!は、はい。宜しくです!」


楓さんめっちゃ良い人そうだな…。
優しいお兄ちゃん的な感じ?



「敬語とかも要らないから、タメで話してよ?」


「え?あ、はい、分かりました。」


「……なーんか、楓ばっかずりぃ…」


「え?」


「ねぇ、名前は?教えて?」


「えっと……海結(ミユ)です。」


「俺の名前は、陸斗(リクト)。なぁなぁ俺も!呼び捨てで呼んでよ?」



「え、」



「もちろん、俺も敬語は……



「ちょっと陸斗、話割ってこないでくれるかな? 海結ちゃんって言うんだね!今日は、もしかしてここ来るの初めて?」



「楓ばっか話してんだろ!俺も話してぇ!」



「陸斗のことは無視して良いからね?」



「え? うん。えっと…昼間は良く来るんだけど、」


「!?マジで?昼間居るの?」



「ちょっと陸斗! 煩いよ?」



「あ、悪ぃ……。」



「昼間のカフェの雰囲気が凄く好きで、」



「……はぁ俺、明日から真面目に働くわ…。」



「? 」



「海結ちゃんは気にしなくて良いよ、本当。」



その後も2人と話してみて
悪い人では無いと分かった。
陸斗はやっぱりちょっと苦手だけど。
赤髪だし、身長高すぎて見た目が怖い(笑)













「あー!陸斗やっぱりここに居た!」


「……はぁ、またお前か」
スタイルが良く金髪を
少しキツめに巻いた髪の毛の
女の子が陸斗に話かける。


「ねぇ、ここじゃなくて、あっちで呑もうよ~」



「あー、今日はパス。」



「何で!?」



「先約が居るから」


そう陸斗が答えた後
金髪の女の子とバッチリと目が合って
何故だか睨まれた?何で?





「何それ?そんなの聞いてないよ?」



「言ってねーもん。」



「~~っ!もう良い!友佳(ユカ)行こう!今日はとことん飲む!!」


「え? ちょっと、里奈(リナ)!?」



金髪の女の子は里奈と言う名前らしい。
そして、その子とは正反対の
大人しい感じの女の子と一緒に
テーブル席へと移動していった。









「陸斗、行ってあげないのか?」


「あぁ?良いよ、別に。」


「後が大変になるぞ、あれ、」


「………はぁ、だよな~。もうちょいしたら行く…」



「ねぇ陸斗は、あの子の彼氏?」


「は?ち、違うから!!」


「え?でも……そう見えたけど?」



「絶対無い!笑」



「ふーん。」

あの子はそうでもなさそうだったけどなぁ?
陸斗のこと好きなように見えるけど
もしかしてこの男、気付いてないとか?






「あれはね、照れ隠しだよ」


「! なるほど~」


「おい、違ぇから!やめろ」