帰りは家の近くまで送ってくれた。
蒼眞はいつも冗談言ったり、からかったりするのに
こういう所は紳士だなって思ってしまう。













一度帰宅して、BLUEの店員さんに
夜にまた来てほしいと言われたことを思い出す。
今の時間は、21時過ぎ…
時間は問題ないかな?
服を着替えて、再び家を飛び出した。













お店の前に来てみたけど...…
看板はクローズになってる?
本当に開いてるのかな?
半信半疑になりながらも、ドアを開けてみる。



そこには、いつもと違った雰囲気が漂っていた。











「! 来てくれたんですね!嬉しい。ここ、座って?」



いつも良くしてくれる、店員さんは
カウンターテーブルの真ん中辺りの席へと案内した。

お客さんはお昼のカフェの時よりはかなり少なく
不思議に思っていると…










「実は、ここ紹介制なんだ。人少なくてビックリした?」



「え!?あ、はい……いつもお客さん沢山居るので…」



「まぁお昼はね…。まだOPENしてそんなに経っていないから。でも夜は、知り合いばっかりだよ(笑)」



「何か…良いですね!」



「そう?」


「雰囲気もそうですけど、お昼のカフェとはまた違って落ち着きます。」



「ありがとう。そうだ!えっと…お酒は飲める?」



「はい、人並みには…飲めます。」



「良かった!どんなのが良い?」


「え?じゃあ、甘い系?でお願いします。」


「了解。」











この店員さん、お酒も作れるんだ…。
Barなんだからそれは当たり前か…
モテそうな人だな…
蒼眞とは全然違って、優しい感じが!










「はい、どうぞ。」



「!…ありがとう。」



綺麗な色のカクテルが目の前に置かれた。
少しだけ飲んでみる。


「…美味しい!」



「本当?良かった!」




やっぱり今日誘って良かった。
昼間より全然話せてる!
というか、俺も早く誘えば良かったよなー。




「あのさ…名前聞いても良い?」


「? 名前ですか? 海結(ミユ)です。」


「可愛い名前だね!俺の名前は、海斗(カイト)。」


「海斗さん…よろしくです!」


「ちょっと、さんなんて要らないよ?呼び捨てで呼んで?」


「え!そ、それは…あの…」


「俺も、海結って呼んで良い?」


「は、はい。」


「あと、その敬語も無し!」


「え、えーー!?」


「その方が話やすいでしょ?」


「そ、そうですね。」


「じゃあ、決まりね!てかまた敬語!笑」



「!ごめん。まだ慣れなくて…」








この日は海斗と沢山話をした。
実は海斗も20才で私と同い年らしい!
自分のお店を持ちたくて、カフェを始めたみたい。
元々は海斗のお父さんのお店で
洋食屋さんだったみたいだけど
改装して、その時に譲り受けたそうだ。