風呂上がりの、坂道を往復した体に夜の風が心地良い。 目の前にはあの丘に植えられている木が見えていた。 坂道を登りきったその場所の少し開けたあの丘で、たまに見る、だけど少しだけいつもと雰囲気の違う光景がそこにはあった。 誰かいる。 薄暗いその場所で、その誰かはしゃがみこんで空を見上げていた。 その誰かはたまにここを訪れる人たちとは少しだけ雰囲気が違った。 この丘を訪れるその人たちは大概車でここまで来る。 駅から離れたこの場所は、歩いて来るには坂道が多い。 だからほとんどの人は車で来る。