ちらりと父さんを盗み見る。 確かにもう俺の方が少しだけでかい気がした。 「成長期だからさ、これからまだまだ伸びるよ」 「嫌だな」 そう溢しながら父さんは笑った。 「仕方ないよ」 「いや、お前の成長は嬉しいよ。父さんなんかどんどん追い抜いてくれ。 ただな、昔は子供の成長がただ嬉しかったのに、いまは少し寂しさも感じるんだ。 変化を受け入れるのにも体力がいる。 歳を取るとそれができなくなるんだよなぁ」