別のお話。


「春兄聞いて。空ってばまた起きてこないんだよ。目覚ましも鳴ってるし海も起こしたのに無視するの。あんなにうるさい中でよく寝てられるよね」

「顔洗ったら起こしてくるよ」

「大体なんで春兄が起こしたら起きるのに海だと起きないの?本当むかつく」

「お姉ちゃんも大変だな」

「そうなの!空は言うこと聞かないし学校ではからかわれるし」

話しが長くなりそうだったから海の頭をぽんぽんと撫でてから洗面所に向かった。

顔を洗う。

歯を磨く。

それからまた階段を登って双子の部屋をノックした。

「空。朝だぞ」

「まだ眠い」

「そろそろ起きろ。ご飯できるから」

「はあ。分かったよ」

「待ってるからな」

「はいはい」