「手作りなんだからいいでしょ!」 「俺じゃなくても誰でもそう思うだろ」 「私はあげたいと思ったし春兄だって欲しかったって言ってるじゃん」 「だからぁ、それは春兄の優しさだろ」 「そんなことない。本当に欲しかった。海、ありがとう」 「でもなんで二つ?」 「へへーん。一つはね、春兄の大切な人用だよ」 「うげぇ。こんなのお揃いとか無理無理」 「空!うるさいよ!?」 いつものように双子の口喧嘩が始まるとキッチンから母さんの声がした。