※※※ 「春兄おそーい!」 泣くのをやめてお茶を飲んで、だけどしばらく動けないままそれでもやっと家に帰ってきたのはすっかり暗くなってからだった。 「ごめんな。ついうっかりしてた」 「もう!春兄の誕生日なんだからね。準備できてるから始めるよ」 「うん。手だけ洗ってくるからもう少しだけ待っててな」 「早くねー」 手を洗ってリビングに行くと部屋が飾り付けられていて、テーブルには俺の好物がずらりと並んでいた。 「すごいな」 「海が飾り付けたんだよ。ご飯も手伝ったの」