別のお話。


「でもシヅキちゃんは……」

「いいじゃん。もう行こうよ」

「でも……」

「マジで遅刻するよ!」

友達に引きづられるように離れていく彼女に深く頭を下げる。

ああ、良かった。

これでシヅキに家族と会わせてあげられる。

良かった。

俺はフラフラとベンチまで戻って、その場所でシヅキが帰ってくるのを待った。