別のお話。


「春人?大丈夫?」

ーああ。なんでもないよ

ああ、シヅキに触れたい。

その小さな手を握って、離すことなくいつまでも一緒にいたい。

君の温もりを感じたい。

だけど俺はちゃんと知ってる。

分かってる。

俺たちには未来はない。

あるのは不安定ないまと確実な終わりだけ。

だから伝えない。