別のお話。


「だめ。なんとなく嫌なの」

「嫌?」

「うん。

ああ、私って本当に幽霊なんだなって。

死んじゃったんだって思っちゃうから」

月明かりに照らされたその顔はとても柔らかくて、だけど少し切なそうだった。

「もっと生きたかったか?」

そんなの聞かなくても分かる。

生きたかったに決まってる。

死んで良かったなんて思うはずがない。

だけど聞いてあげたかった。