しっかりしないとな。 常連のおばさんに心配されるほどには俺は上の空だったらしい。 だけどおばさんに続けて何人かの会計を済ませてお客さんが途切れるとついまた隅へと視線を向けてしまう。 「ファイト!」 シヅキは一歩も動かないまま拳を作りエールを送ってくる。 小さく頷いてからレジの横に置いてある時計を確認すると時刻はまだ七時を過ぎたばかりで、上がるまでにはまだ三時間は残っていた。