小さい頃から何一つ変わらない凪が誰かと付き合うとか、そもそもだれかを好きになるとか、誰かにそういった対象として見られていたとか、そういったものに驚いた。 「春は好きな人いないの?」 「いないな」 「勿体無いなー。春は意外と人気あるんだよ? それを有効活用しようよ」 「なんだよそれ」 分からない。 凪には分かるのに、俺には人を好きになるとか、誰かを愛しいと思うとか、そういったものが全然分からない。 「春!見て!」 凪の指を追ってその先を見るとそこには散り遅れた桜が一つだけ残っていた。