「春人はちゃんと持ってるよ」 「そうか」 シヅキが何を指してそう言ったのか分からない。 だけど全部を知っているように微笑みながら君がそう言うからそうなのかもしれないと思えた。 「だけど困っちゃうな。 春人が優しくて、ここがとても居心地がいいから」 言葉を切ってシヅキが俯く。 「私はずっと、ここに居たくなる……」 「居ればいいよ」 シヅキの癖が移ったのか俺は低くなった天井を見上げていたけど、シヅキが俺を見ているのが気配で分かった。