「面倒だよ」 「凪が春に面倒かけるとかそんなことしてないよね?」 「どうだろうな」 「ひどーい。二人して幼気な少女をいじめるなんて」 白々しく嘘泣きを始める凪に先輩がまたカラカラと笑う。 そんな先輩に「もう!」と拗ねている凪を見て本当に付き合ってるんだななんて、今更ながらに思った。 「ほら、暗くなる前に帰るぞ」 そう言って先輩は自然に凪の手を握って、凪も自然にそれに応える。 目の前にいるのは小さい時から知っている人なのに、なんだか知らない人のように見えた。