来たがったのはシヅキなのに、なぜか頑なに歌おうとしないシヅキに俺も意地になる。 「大体これはシヅキが成仏するためのものだろう。 シヅキが歌わないと意味ないんじゃないか?」 「成仏……」 何やら考え込んでいるのかブツブツと何かを呟いている。 その声は意識してか無意識かとても小さくて、狭い部屋で向かい合って座っているのに俺の耳には届いてこなかった。 「シヅキ?」 「あ、ごめんね。考えごとしてた」 「考えごと?」 「うん。ねえ、春人?やっぱりお喋りしようか」