どうしよう。 いつもは意地になって自転車で登っているその坂道を見ながら考える。 いつもだったら迷うことなくそのまま自転車で登る坂道を、いまはシヅキが乗っているせいで重くなったペダルを漕ぎながらどうしようかと迷う。 降りたくない。 だっていままで毎日登ってきたんだ。 それを今日だけ諦めるなんて、なんだか癪だ。 「シヅキ」 「なあに?」 鼻歌をやめて呑気な声でシヅキが答える。