フォーチュン ラブ

「源ちゃん、美味しいよ」

「やったありがとう」

可愛い子犬みたいな笑顔で癒される私。

私の隣に座った渚さんが、おつかれって言いながらグラスを少し上に上げて源ちゃんが作ったカクテルを飲んでいた。

閉店から1時間、源ちゃんの作るお酒に付き合い渚さんとはダメ男の話を少しだけ聞いた。

仕事が出来る=いい男

ってわけでもない。意外と家では何もしなかったり、マザコンだったり。

優し過ぎるのと、なんでもいいよ!!って人はよくわからないらしい。
コミュニケーションの会話が大事なんだとか。

「渚さんっていくつなんですか?」

「40だよ!弥花ちゃんは?」

「26で…す。あまり恋愛経験がなく、かれこれ…」

もはやほぼ処女でしょ。結局初めての彼氏とは高1から4年間付き合ったけど、それ以来、なにも経験がない。

私はたぶん、干からび中。潤いがないのも自分でわかってる。たまに、私はオジサンじゃないかと、加齢臭出てないか気になる時もある。

「私、女になれるのかなー」

ため息出して、顔を上げると源ちゃんがニコッと笑った。