「そして、君に頼みがあるんだ」
「ハイッ!?」

コイツの事情を何となくつかみかけた頃、いきなりすぎるだろ的提案を、ヤツはいとも簡単にした。

「私は、元の世界へと戻る必要がある。そうなると、あの世界の決まりでね……報復をしないと帰れないのだ。一緒に、悪魔討伐についてきてくれないかい? 救世主くん」

冷め切ったオレに、わけのわからないお願いをする男。
しかし、オレはすっぱりと断ることもできず、ちょこっと考えていた。

何か、面白そうだった。
このありえないコスチュームの男、悪魔、呪いの谷、そしていけにえ……。
それら全てが、オレの心を鷲づかみにしているのを、誰よりもオレが感じ取っていた。

救世主、ユージ。
なんかちょびっと、カッコいいんでないの?