近所の子ども達に今はやりの、お助けマン。
このお助けマンは、ものすごくカッコよくて、みんなのヒーローで、弱きを助け、強きをくじいてくれる、そんな人らしい。

らしい、というのは、オレがまだ彼を見ていないから。
親友の陸(りく)は、野球で上手くストレートが伸びない、と悩んでたところ、お助けマンの夢を見て、それ以来直球が走って伸びて、しょうがないそうだ。

ここで、あれ? と思う方もいるかもしれない。

お助けマンは、オレ達の前に現れてくれるわけではない。
会えますように、と願いをかけて眠りにつくと、夢の中に出てきて助言を仰いでくれるらしいのだ。

この他にも、オレのクラスの友だちでお助けマンに助けられて……というヤツはいっぱいいる。

オレはお助けマンの話を聞くたびに、胸をときめかせ目を輝かせた。
そして、これはもう呼び出してやるしかない! と決心してしまったのだった。