親友のカラダ

『大丈夫ですかー?』


クスクス笑い声がきこたえたような気がした


一瞬、頭に血が上ったけど我慢した…


『見てあれアイザだよ』

爆音なのに悪口って聞こえるもんだ。やっぱり誰かがクスクス笑っていた

アタシは唇を噛んで、かぶった灰を下にほろう。


『瞳…どしたの…?超タバコ臭いよ?』
望が心配そうに言ったから


『大丈夫だよ。ちょっと灰かぶっただけ』
と愛想笑いをした。


ルキのバンドの出番だ。SEが流れ、ルキが現れた途端、人の波がステージへ押し寄せる。


最前列で観るのは止めた。けど気付くと2列目のセンター


周りの子達はステージへ手を伸ばす。

まるで雲を触りに行くように…

イベントだけあって、ただ動員数がいつもより多いだけだと思った。


凄い力で押しつぶされる。

2曲目…

何人もの人間がアタシ目掛けて飛んできた


逆ダイと言う行為


立って居られない…


苦しい

アタシは潰しの対象になった

どさくさに紛れて髪を引っ張られる…


ルナ達は最前列にいて気づいてない

望とも離れた…望も逆ダイの嵐の中…


飛んでくる人、人、人、人

引っ張られる髪、腹を殴られる。足をヒールで蹴られる。踏まれる…


キレて、ルキに迷惑かけたくない。耐えれば言いだけだから…
後ろに行きたくても行けない


その時


アタシのコメカミに肘鉄が見事に入った。


アタシはフワッと意識が遠くなって


それから、覚えてない…