「綺麗......」
今日、私たち4人は紅葉を見にきていた。
今年は特に綺麗だと聞いたので。
そしてそれは予想以上に綺麗だった。
紅葉ってこんなに綺麗だったなんて。
私はラブラブしている真と春香ちゃんから離れ1人で池の周りの紅葉並木を歩いていた。
赤く染まる紅葉はとても綺麗だ。
「千秋、こんな所にいたのか」
そう言ってやってきたのは大輔だった。
「あ、うん。あの2人に悪いしね」
「そうだな」
大輔はゆっくりと地面に座る。
私もその隣に腰を下ろした。
『告白しないんですか?』
この前の春香ちゃんの言葉を思い出す。
「大輝、あのさ......」
「何?」
このまま告白しないでいたら、真の時のような思いをするかもしれない。
私は深呼吸をして立ち上がった。
そんな私を大輔は不思議そうに見ている。
「大輔、立ってもらっていい?」
「あ、うん」
大輔は戸惑いながらも立ち上がった。
覚悟を決めよう。
「私......」
「俺、お前のことが好きだ」
私の言葉を遮るように大輔は言った。
「え?」
「告白は男からするもんだろ?」
「その方が嬉しいけど.....って?」
なんだか理解が追いつかない。
「俺、初めて会った時から千秋のことが好きだったんだ」
「うそ......」
「嘘じゃない」
「だったら、私が真の事を......」
「知ってた。だけど好きな人が幸せになれるならって思って......」
大輔は私と同じだったんだ。
私は真の、大輔は私の幸せを願っていたんだ。
「その後、桜のことがあって悲しんでる千秋を放っとけなくて」
「ばか......」
「え?」
「私も好きだよ」
「本当に?じゃあ、俺と付き合ってくれるのか?」
「うん」
「ありがとう!こんな女々しい俺だけど.....」
「女々しいところはなおしてね!」
「は、はい」
春香ちゃんが言ってた『多分』の続きがわかった。
「2人ともいい感じですね」
「春香、お前千秋になんか言ったのか?」
「別に」
『多分、大輔先輩も千秋先輩のこと好きだと思いますよ』
ってあの時言わなくてよかった~