「春香ちゃん、真おはよう」

私は一組のカップルに声を掛けた。

ほんと、この2人はラブラブでイラつく。

「俺もいる」

「うわっ、びっくりした」

ったくこいつは影が薄すぎる。

この3人は学校の中で一番仲のいい人たち。

無愛想な真、見た目は怖いけど本当は優しい大輔、真の彼女の1年生の春香ちゃんだ。

春香ちゃん以外の男子2人は小学校からの仲だ。

私は萩田千秋。

高校2年。

去年の春、私は好きな人に好きな人がいることを知った。

それから少しして2人は付き合うようになった。

美男美女でとてもお似合いのカップルだった。

まぁ、私の好きな人というのは真のことなんだけど。

真の彼女の名前は桜。

私たちは親友だった。

だから2人が付き合うことになった時も、辛かったけど大好きな2人が幸せになってくれればと諦めた。

それかも私たちは4人はいつも通りに過ごしていた。

夏休みには祭りも川も海も全部一緒に行った。

けれど夏休みが終わり、少し経った頃だった。

突然、クラス中の子たちが桜のことを無視するようになった。

いじめ。

それは真のことが好きだった女の子が悪い噂を流したことから始まったようだった。

今度は靴を隠されるようになった。

そしてどんどんいじめはエスカレートしていった。

ゴミ箱に服や筆記用具が捨てられたり、机に落書きをされたり、さらにはSNSからのいじめにまで発展した。

桜は毎日のように泣いていた。

最初のうちは私達も彼女を助けようと必死だった。

けれど......