肖像の人の著者は、村元もらいいちろう。
私は、この作家が好きだった。彼の作品中の言葉だけが、胸にスーッと入ってくる。
その日も、肖像の人を読んでいた。

舞台はロサンゼルス。肖像画家の夫を持つ冷酷な女社長、アリエッドが出逢ったのは、自称リンカーンの遠い親戚、クライフポップ。不思議なオーラを纏う彼女に興味を持ったアリエッドは、ある日クライフポップを尾行してしまう。けれど辿り着いた先は、彼女が身に纏っていた不思議なオーラをそのまま映したかのような不思議な世界だった。アリエッドはその世界で、命の尊さに気付く。そしてクライフポップの壮絶な過去を知る。アリエッドはいつしか、彼女を支え、希望を与えたいと考えるようになった。だが容易く出入りできるような世界ではないと告げられ、二人の願いは打ち消された。けれど、ある条件を叶えると、世界から出られることを知り、条件を叶えようとする二人だけど、不覚にもクライフポップを死なせてしまった。

なんていうあらすじ。ストーリー性ができていて、次の文を次の文をととにかく先が気になる物語。