花びらに優しく触れながら言った。その姿は、とても綺麗だった。儚くもあれば、透けもしていた。私をそれを見て、胸の奥がギュッと苦しくなる。

「...本当に、いつもありがとね」

彼に向けていた視線がするすると降下していき、視界一杯に白い床が映る。
顔は見えてはいないものの、彼は恐らくはてなを浮かべていたと思う。やがて、彼は私を優しく抱き締めた。そしてあやすかのように背をさする。

「どういたしまして」

私はこの言葉に、ひどく安心した。
だって、

「...遥らしい返事」

君という存在を、厚く感じることができたから。