「...じゃあ......を...に......いのか...?」

寝ていた。
それこそ、意識があるはずでもないが。

「......つ.........りつ...葎!」

その声に、ハッと意識が呼び戻された。
名前を呼んでいたのは、親友の葉那乃だった。

「コホン」

頭上から降りてきた咳払いに、背中にヒヤッとするものを感じた。

「139ページ、読んでくれ」

「は、はい!!」

先生の冷たい声に異常な反応をしてしまい、慌てて立つ。


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「先生もさ、何もあんなに冷たい声で言わなくてもいいじゃん」

「...」

「てかあの後こっぴどく叱られたし」

「...」

お昼休み。葉那乃に愚痴を聞いてもらっていた。と言っても、私が一方的に喋ってただけなんだけど。

と、そこで。葉那乃の姿に、違和感があった。だが、その違和感に秒で気付く。

「葉那乃...昨日あれほど言ったのに」

「は?なに...」

言い終わるか否かで、私は立ち上がって彼女の髪の毛をまとめ始めた。