「りーつー」
「はーい。今行くー」
いつも通りの朝。遥が迎えに来てくれている。
「行ってきます」
お父さんとお母さんに言い残し、玄関を出る。
「葎」
笑顔の君が、名前を呼んでくれた。それだけで私は、胸が一杯になる。
「ごめんね、待った?」
冷たい風が遥の頬を撫でていて、もしかしたら...と思った。
でも遥は、私の頭に軽く手を置いて、
「葎なら、いくらでも待ってられる」
満面の笑みで、答える。
私は遥の笑顔に、胸を締め付けられる。
「...ありがと」
ボソッと言った。
なんていう日常が、毎日続くはずだった。
暗転。
いつかのような感覚に陥る。
「葎!」
授業中のこと。クラスが不安に覆われ、悲鳴にも近い声が聞こえてくる。
そんな中、名前を呼ぶ声だけが耳を突く。
「葎...?深呼吸して...」
何よりも安心する手が、背中に触れる。誰のよりも安心する声が、耳に届く。
「......は...る.........」
必死に名前を呼ぶ。でも聞こえるのはかすれた音だけで。
喉の奥に、異物でも詰まったかのよう。
「大丈夫。無理しないで」
「はーい。今行くー」
いつも通りの朝。遥が迎えに来てくれている。
「行ってきます」
お父さんとお母さんに言い残し、玄関を出る。
「葎」
笑顔の君が、名前を呼んでくれた。それだけで私は、胸が一杯になる。
「ごめんね、待った?」
冷たい風が遥の頬を撫でていて、もしかしたら...と思った。
でも遥は、私の頭に軽く手を置いて、
「葎なら、いくらでも待ってられる」
満面の笑みで、答える。
私は遥の笑顔に、胸を締め付けられる。
「...ありがと」
ボソッと言った。
なんていう日常が、毎日続くはずだった。
暗転。
いつかのような感覚に陥る。
「葎!」
授業中のこと。クラスが不安に覆われ、悲鳴にも近い声が聞こえてくる。
そんな中、名前を呼ぶ声だけが耳を突く。
「葎...?深呼吸して...」
何よりも安心する手が、背中に触れる。誰のよりも安心する声が、耳に届く。
「......は...る.........」
必死に名前を呼ぶ。でも聞こえるのはかすれた音だけで。
喉の奥に、異物でも詰まったかのよう。
「大丈夫。無理しないで」