こんなものをお混渡しするわけには……と渋る奥様を半ば無理やり説得する形で貰ってしまった。また、必要であればお返しする、ということなので正式には貰ったとは言い難いのだが。

家へ帰って皿を伏せて置いてみる。
うーん、不自然。
何か物足りないような気持ちになる。

なんとなく、本当になんとなくだが付属の頭骨を皿の上においてみた。
意外にしっくりくる。
しばらくこれでいいだろう。

その夜、奇妙な夢を見た。

その皿の上に猿の生首が乗っているのだ。
ちょうど頭骨を置いたように。
猿はキーキーと耳障りな声で鳴き続けている。
私はそれを布団に寝転がりながらただ一晩中見ている、そんな夢

朝起きると、どっと疲れていた。不思議と恐怖はないのだが、一晩中つきあわされたという疲労感だけがありありと残っていた。
寝ていたはずなのに。