「これから彩雲第2中学校入学式を始めます。
一同ご起立ください。気を付け、礼。」

教頭の太くて低い声が響く。

「それでは新入生の名前を呼びます。呼ばれたら大きな声で返事をし、
その場に起立してください。それでは、1年1組男子____」

暫くして隣の男子の名前が呼ばれた。
__静山 心路。

とても身長が高くて、頭が良さげな男子だった。

また暫くして私の名前が呼ばれた。

「城田 雛夏!」

「ひゃ、ひゃい」

緊張して声が出なかった。
在校生、保護者席からは笑い声が起こった。
とてつもなく恥ずかしかった。

****

「もー、癒彩どうしよー!めっちゃ笑われちゃったよー」

私は式後教室に戻り、幼馴染でクラスメイトの癒彩に愚痴った。

「だいたい雛夏は緊張しぃなんだよ。はいって返事するだけだよ?」

「そんなこと言われても…」

「もう、いつまでたっても雛夏は赤ちゃんだなぁ〜
ホームルーム始まるよ?はい、席ついて!」

「癒彩、ひどぉーい」