「今朝寒かったね」
切り替える為にもみなみちゃんにそう言ったら、そうねと相槌をうってくれた。
まだ文化祭も終わっていないのに、季節は冬へと移り変わる。
「今度遊びに行こう?」
「文化祭終わったらもうテストでしょ。遊ぶのは、12月かしら」
「ええ、遠いよお」
すぐ来るわよと、微笑むみなみちゃんはいつ見ても大人っぽい。
「まなかは、好きな人とか作らないの?」
「いきなりどうしたの」
「12月なんて本当にあっという間よ?クリぼっちも正月ぼっちも寂しいでしょ」
「寂しい、けど」
「直前になって焦るより今から探す方がいいんじゃない?」
「それはそうだろうけど……」
たしかに、みなみちゃんは瑛斗(えいと)君っていう素晴らしく優しい彼氏さんがいるから、私に構ってる暇なんてないんだろうけど。
だけど私は。



