「数学の小テスト、今日あるのわすれてたんだけどね。満点だったの!」
「それは、すごい」
驚いたように目を見開いた蓮は、やっぱり優しい。
自慢したって、嫌な顔1つ見せないんだもん。
「ね?でしょ?」
私の数学を持つ先生は優しいんだけど、小テストや定期考査のテストは結構難しいんだ。
蓮も、私がそのことで愚痴ってたから難しさはよく知ってる。
そんなテストを忘れてたっていう意味では、致命的なんだけど。
前回のあと一点で満点だった悔しさは残らなかったからいいかな。
まあ、それは前回も勉強してなかったせいなんだけど。
「まなかー!次移動でしょー遅れるよー」
「あ、みなみちゃん!今行く!」
みなみちゃんに声をかけられて、バイバイ!と手を振って蓮と別れた。