あらためて周りを見れば、




友人と話しながらテスト直しをする女子生徒




諦めて机に突っ伏している男子生徒




教師にイチャモンをつけに行くギリギリの生徒や




満点のテストを必死に写している者など






皆は次の行動に移り、


2人だけがテスト返却の余韻にひたひただった。




「...そ、そだね?もういっ...かな...


...テスト直ししよ?」




「...お、おう。...そだな。






次こそ負けないからな!」


「何いってんの!?

次も私が勝つんだから!」







...どうやら、もう一度あの世界に台風が来そうだ。







「...ほんとお二人さんは仲良しやね。」


「ま、ライバルってとこかな?」





おそらく次回も、配役は同じだろう。






「もう、まだそんなこと言ってる!


わたしに1回も勝ったことないくせに!」


「そんなことねぇよ!


1年の頃は、俺の方がずっと勝ってたんだから!」

「その時はまだ、わたし達

同じクラスじゃなかったじゃない!」


「いやいや、それでも

テストの中身は一緒だからな!」

「そんなこと言っても、

授業の進み具合が違うん・・・」


「はいはい、お二人さん。








もうそろ、お昼になってしまうで?



そろそろ、テスト直そか?」


「「えっ!もうそんな時間!?」」



教卓の横に椅子を置き、




生徒たちのテスト直しに対応していたはずの教師は




すでに筆記用具をしまいこみ




帰る準備を終わらせている。







「お前、問二の6合ってる!?」

「ちょっと問十見せて!」





8月31日の午後9時のように手を動かし始めた。





「あらあら...




やっぱり仲良しさんやなぁ...」