起きると、そこには私を覗き込んでいる美少年がいた。

「え、誰!?」

私は布団から飛び出る。

「ち、千夜ちゃん?」

茶髪美少年が話しかけてきた。

「なんで私の名前を知ってる?」

「さっき君が言ったんだよ。ほら、俺、沖田総司だよ」

「誰?」

どうしよう、記憶が無い。

「記憶喪失?」

「そうみたいだ、すまない」

私は頭を下げる。

「いいのいいの。君、身元もないみたいだし俺が引き取っていいよね」

私が首を傾げると、沖田さんはふふっ、と笑う。

「これからよろしくね。改めて、俺は新選組の一番組組長、沖田総司!」

甘い、とろけるようなボイスで言ってくる、癒されるな、この声。

「よろしく…」

「みんなを紹介するよ。今、あそこで剣を振っているのは、永倉新八。新選組の二番組組長だよ。剣術なら私より強い」

新選組?どこかできいたことあるぞ。こん、どぉ……?

「ねぇ、あの隅にいる人は?」

あいつの名前はそう、確か近藤だ。私は、あいつをどこかでみたことがある。

「近藤勇さん。この新選組の1番偉い人、局長だよ」

なぜ、私はあいつを知っているんだ?